フェディバースの観測者
日光が入らない暗い部屋。遮光カーテンに遮られ、今が日中なのか夜なのかわからない。部屋を照らしているのは、パソコンとモニター、そして周辺機器の光。反射光に照らされながら、俺はパソコンで黒い窓を開き、新天地への鍵を入力する。『1xx.xxx.x…
ショートショート現代小説
ソンタクドータク
「おっ、結月。こっちに銅鐸があるぞ」朔太は私の腕を引っ張りながら、銅鐸の元へ向かった。今日は朔太と博物館でデート。朔太が好きな銅鐸が展示されるということで、いつも通り私は彼についていくことにした。朔太は歴史オタクだった。とくに弥生時代がお気…
ショートショート恋愛小説,現代小説
孤独な山羊
昼休みのオフィス。事務仕事を人段落させ、私は一人で食事をしていた。他の事務員は皆ランチに出かけていた。私が一人で食事をするのはいつものことだ。「こうなるとはわかっていたとは言え、少し寂しいものがあるわね……」私も入社した直後はランチに誘われ…
ショートショート現代小説
はじめの一歩
「うーん……」僕はうなだれていた。目の前には未使用の原稿用紙がある。『僕の空想を表現したい』たったそれだけのことだった。小さな幻想の断片が頭の中にある。それをどう繋げていくのかわからなかった。そもそも僕は空想を現実化させる方法を知らない。僕…
ショートショート現代小説